トヨタは、イギリス、フランスに次いで欧州第三の工場をチェコに仏プジョー・シトロエングループ(PSA)と合弁会社方式で設立することを決定した。生産開始は2005年を予定しており、車種は1リットルガソリンエンジンと1.4リットルディーゼルエンジンを搭載した4人乗りの小型乗用車となる。トヨタがフランスで生産している「ヤリス」より小型の新しいタイプの車と位置づけている。価格も8000ユーロよりも低価格を狙っている。開発と生産はトヨタが、部品資材などの調達はPSAが主として担当する。両社が50対50の合弁会社を設立、トヨタ及びプジョー、シトロエンの両ブランド車を生産する。生産台数は年間30万台、そのうち20万台がPSAブランド、10万台がトヨタブランド車となり、それぞれの販売チャンネルにのせられることになる。総投資額は15億ユーロ(約1600億円)。記者会見した張社長(当時)は、「昨年、PSAから小型車の共同生産を申し込まれました。それまで、トヨタはヤリスに次ぐ新小型車の開発を進めていましたが、非常に厳しいものがありました。EU市場では2008年に欧州で販売される乗用車の1キローメートル当たりのCO2(二酸化炭素)排出量を1台平均で140グラム以下に抑えるという自主規制があります。この規制をクリアするためには小型車に強いPSAとの共同開発がより有効だと判断しました。コスト的にも30万台というボリュームを確保できますので、より廉価な小型車を市場に投入できる道が開けたわけです」と語った。トヨタは「世界市場で競争と協調」を看板に自主的に企業活動を行っている。米国ではGMと合弁会社を設立した後に単独進出をはたしている。今回の欧州市場は、英、仏の単独工場進出の後にPSAとの合弁会社方式を選択した。「トヨタは資本提携など経営の根幹にかかわることはしませんが、技術提携や共同生産などあらゆる分野で門戸を開いています。競争しながら協調していくというのが基本です」(張社長)。いずれにしろトヨタは世界中のメーカーから「秋波」を送られて「全方位外交」を展開しているのである。
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